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イラスト中心で自由な感じ。[ユルく楽しくオリジなる]なブログです。

ウルかな2~甘い夢~
 店を出てから間もなく、先輩の足が止まった。

「ちょうどいいや。リク、ちょっとおなか空いてない?」

「え、まあ空いてますけ「じゃあこっちへゴー!」ど?」

 そういって僕の返事を待たずして、強引に背中を押された。甘い香りがするそのお店は、店内で飲食可能なスイーツ店だった。
 男性の僕からすると、入店をためらってしまうだろう。先輩はそれも見越して僕を急かしたのだ。

「へっへー。前から気になってたんだ、このお店。一人じゃ入りづらいし」

「なら、成海先輩と来ればいいじゃないですか!」

「ダーメ。キラちゃん、体重気にしてて甘い物全然食べないから」

 それって僕に関係ないのでは。僕だって、そんなに甘い物は好きではない。というかそもそも、僕の周りではスイーツ好き男子は皆無だ。

 男と女では体のつくりが違う。甘い物って、女子だけの特権なのではないだろうか。

「って言うか、女の子に体重の話させないでよね!」

「う、ウルエ先輩が始めたんですよ、勝手に!」

 ウルエ先輩は、こういうガサツな所が結構ある。どうして繊細そうな成海先輩といつも一緒なのか、甚だ疑問だ。

 ウルエ先輩と違って、とても穏やかな性格の成海先輩。実は、僕の学年でもウワサの美少女だ。

 そんな高嶺の花は、決まってか弱いものだと思っていた。だからもしかして、意外と先輩も気を使っているんだろうか。それとも成海先輩も神経が太いのか。

「キラちゃんもいないし聞いちゃうけど、リクは陸上部で誰が好きなの?」

「ぶはっ!」

「うわ! どした、イチゴ? イチゴが喉に詰まったの?」

 ウルエ先輩のその一言は、僕の疑問を全てぶち壊してしまった。

 急にそんなこと聞くなんて。こんなところでそんなこと聞くなんて。異性にそんなこと聞くなんて。

 どうやら、男と女では心のつくりまでも違う。僕は今日それを知った。

「図星か。やっぱそうか、リクはキラちゃん狙いか」

「ち、違いますよ! なな、何でそうなるんですか!」

「だってキラちゃんキレイだし」

 それは間違いないけれど。そうでなければ、僕の学年にまで噂が流れたりはしない。

 けれど、すぐに好きだの嫌いだのという話にされてしまうのは、どうだろう。僕にはまだ、ピンとくる話ではなかった。

「前に電車で言ってたのもそうか。リクが陸上部に入ったのって、キラちゃん目当てか」

「だから違いますって!」

 そう、それは違う。僕の、走る理由。それはきっと、普通の人には認められるものでないだろう。

 でも、話しておきたかった。あの日は、結局言えなかったけれど。それは、勇気の要る行動だった。それは、僕の心を強く縛り上げた。

 それでも、気付けばそれは、僕の口を大きく開き飛び出していた。先輩の表情は、すぐに形を崩すこととなった。

=つづく=

言うべきではなかったのかもしれない。

次回、告白の後。
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